過ぎ去りし麗しき日々は再び我の元に返り来たらず

やってくるこの毎日が人生だと知っていたら

プチ忘年会事件

 今の職場は2年目。職場には3年目の人が1人しかいない、いわゆるベテランの人がいないというギリギリの職場である。

 春に直属の上司が代わった。過去にパワハラで問題を起こしてから出世街道から逸れたおばさんからひとつ上の陽気なおじさんへと代わった。

 あと一人、同時期にバイトのフレッシュな女性も加わり男性3女性3の計6名で新年度がスタートしたのである。加えて言うと隣りの課がなくなり+3名が新たな仲間となっている。人は増えたが仕事が増え去年より厳しい職場となったのであった。

 新たな仲間となった皆さんの頑張りのおかげで去年より職場の空気が非常に良くなったのだが、逆に去年一緒に働いていた奴らの頑張らなさが目立ち密かにストレスになっていたがずっと我慢していた。

 先週、陽気なおじさん上司がこっそり忘年会に誘ってくれた。他にメンバーはバイト女性2名である。話の中心は俺のストレスだった奴らについてで皆んな同じ気持ちであったのだと少しだけ気持ちは楽になったのだった。皆んな飲み過ぎたのか急に過去の悲しい歴史を語り始め、謎の告白合戦に元気に頑張ってるけど人には歴史があるものよなぁと思ったものである。ただ、彼らは自ら衝撃の告白のつもりだっただろうが実は俺の耳には結構前から入っており周知の事実であったことは内緒である。

 4月に来たフレッシュな新人女性(A子)はその会で一人だけ30代で俺や他の2人からしたら娘ぐらいの感覚だが、やっぱりちゃんと暗い過去がありけっこう不憫な境遇で。話を聞くと今もあんまり良くない恋愛をしている様子。

 そんな訳でめっちゃ前段の話は長くなってしまったが、A子にいい感じの男性を紹介と言うかまぁ楽しい飲み会を設定してあげよう!ということになったのである。

 で、その時、A子は酔った勢いで実は同じ課の別部門にいる同年代男性(B夫:独身)がちょっと気になると告白しており、俺もたしかに彼なら真面目そうな好青年だし良いかもと思ったので、もう次の日『来週の金曜日飲みに行かない?』と誘ってみたら二つ返事で行けることになり、もう一人うちの課で一番若い20代女性(C美:既婚者)も今年まぁまぁお世話になった子なので奢ってやろうと誘ったら彼女も二つ返事でOKであった。

 忘年会シーズンでかなりの店に断られながらも何とか良さそうな店も予約することができ、50代オジ presents のプチ忘年会が昨日開催されたのであった。

 俺以外皆んな若者なので基本話を聞くスタンスでA子のためにB夫の情報を聞きまくりC美はC美で楽しませ、流石に何やってんだ俺?って感じではあったがまぁ今後も良い関係を続けるのにこれぐらい安いもんである。ホットペッパーアプリで予約したのだが"スマート決済"とやらで若者たちへ50代オジの余裕をしっかりとアピールしつつ、店を出るタイミングで次行くぞ!ということに。

 既婚者のC美は帰してあげることにし、あまりB夫も明日予定があってあんまり乗り気ではなかったがA子と俺が逃すはずもなく女の子がつくタイプのお店でまぁ楽しく2次会を過ごしたのであった。

 B夫が帰ったのでお開きにしようかと思ったら忘年会終わりの仲良い後輩が部下を連れて歩いており、ノリで誘うとまんまと着いてきたので4人でまた飲み始めた。その頃にはA子はベロンベロン状態で、俺にこそ来なかったが初対面の後輩の部下(A子と同年代)にはダル絡みする始末。更にもう一軒、帰るタイミングを見失った我々は最後の最後に居酒屋に入った訳だが、A子の暴れっぷりに後輩たちにも申し訳ない気持ちになり帰ることとなった。

 すると、A子が『スマホがない!』と言い始めた。2次会の店も閉まってて3軒目4軒目もどこで飲んだのかも覚えてないし俺の電話からかけても拾った誰かが出てくれる気配もなし。長い間さまよったが埒があかんと結局今日はもう帰ろうということに。

 A子とは家が近所でタクシーを相乗りできたことだけが救いであった。家に着いて財布を見ると千円しか入っていなくまぁまぁ込めてきたのにスッカラカンになっており焦った。初めてスマホ決済したわ。

 そんなこんなで俺 presents のプチ忘年会は楽しかったけどトータル的には大失敗だったかも。せめてA子とB夫の関係が少しでも良くなればとは思うが、ちょっと厳しそうだなぁ。