fuluにて。やはり日テレの番組はfuluに限りますな。バカリズム脚本のドラマってけっこうありますが、どうも食わず嫌いでして。
最近ワイドナショーで今田耕司がこのドラマの話をしていて絶賛していたので見てみましたよ。
北熊谷市役所職員"近藤麻美(33)"は両親と妹と実家暮らし。ある日、いつものように小学校からの親友の夏希(なっち)と美穂(みーぽん)と遊んだ帰りに車にはねられてしまう。
目覚めた先は死後の世界。受付係の男曰く魂はすぐに来世に生まれ変わるらしく麻美は南米のオオアリクイと告げられてしまう...。
バカリズム演じる受付係が言うルール
- 何に転生するかは選択できない
- 選択するには生きている間に徳を積まなくてはならない
- 今の記憶を残したままやり直すことも可能
- やり直して徳を積めば希望する転生先を選べるかもしれない
- 何回転生できるかは個人差がある
- 回数は言えないがラスト1回になったら教える
だいたいこんなもんか。
最初面白かったんですよ。特に保育園時代の麻美がとにかくめんこくてね。あの子が特に素晴らしかった。もちろん俳優さんはみんな良かった。
ストーリー的にも最初は徳を積むことだけが目標でやり直す度に徳を積むミッションが増えていくしその時選んだ職業でまた変化したりってのはなるほどなぁと。いいとこで死んじゃってまた最初からっていう天丼も面白かったし。
ところが終盤、麻美より1回多くやり直してるクラスメイト 真里(まりりん)がいることが判明するんですね。
これは地球上の全生命が等しく生まれ変わるかやり直すか選べるんだと。わざわざ明言はしてないけどそういうことでしょう。8周目だっていう奴も現れたし。
そして真里がやり直している理由は、航空事故で亡くなったなっちとみーぽんを救うためだったと。麻美たちは仲良し3人組じゃなく真里を入れた4人組だったんですね。
で、麻美の中で人間に生まれ変わることから親友を救うためにやり直すってミッションに変わったとたんに『いや、変だろ!』ってつまんなくなったのよ。
だってさ、死んじゃったなっちとみーぽんにだってやり直しチャンスあるじゃんね。
死んだ本人がやり直して事件事故を回避できるんだったらみんな自らやるって。つーか不慮の事故で死んじゃった人は100%やり直しを希望すると思うんだ。先天性の病気で苦しみ抜いて亡くなった人だけはやり直さないかもしれないけども。親ガチャハズレた人だって初めからわかってれば何とかなると思うよ。
で、そうやって考えていくと結局生きとし生けるもの全てがやり直せる世界にたったひとつのタイムラインでやっていくのは無理があるんだよ。歴代の先祖がやり直した先でみんな同じ相手選んで同じタイミングで子ども作るんですか?
麻美だけがやり直すことで地元の人の人生も変わっていくBTTF的な話だったら良かったものを、麻美のやり直してる世界に真里のやり直してる世界がリンクするのが明らかにおかしい。
こちとら『過去を改変するとタイムラインが分岐しちゃう』っていうマルチバース理論をMCUに叩きこまれちゃってるんでね。
成人式で暴れる奴が毎回出てきたけど、あんな奴は絶対何回目かでやり直して真っ当な人生送ろうと努力すると思うんだけど。だって徳積んでないからロクな来世に行けないって言われるんだよ。それともあぁいう馬鹿は何度やり直したって馬鹿のままだ、というバカリズムのメッセージなのか?
今世をやり直せる人がまれにいて、更にマルチバースを自由に行き来できる真里みたいな特別な人がいるっていう説明さえあれば納得できて素晴らしい脚本だなってなるのに。
そんな訳で食わず嫌いではないと確信できたドラマでした。あの子役見れただけ拾いもんですかね。