過ぎ去りし麗しき日々は再び我の元に返り来たらず

やってくるこの毎日が人生だと知っていたら

父が投資詐欺の被害者になりました その3

 

前回からのつづき

 週明け。両親にはすぐに警察と消費生活センターに相談に行くよう伝えたのだが、父は時系列をまとめたレポートを作ると言って一日かけて作成した。別にLINEや銀行の記録あるだろと思ってムカツいたが我慢した。

 火曜日にはちゃんと警察と消費生活センターには行って一通り説明してきたようだ。俺は父に友人の借金400万をどう返すか話し合った。金は俺が用意すると。本当は母が払うのだが俺が払うと言った方が父の反省を強く促せるはずと母と決めたのだ。

 次の日、父の事件が新聞に小さく掲載された。ローカルネットニュースにもちらほらと。リンク貼ろうか迷ったがやめておこう。

 新聞記事になりだんだん理解してきたのだろうか、父はかなり憔悴している様子。とにかく早く金を借りた友人に返してチャラにしなければ消えて無くなりそうである。

 ただ、記事を読むと被害額が1,700万となっていた。俺と母が聞いていたのは1,500万で200万の差に❓となった訳だ。

 どういうことかと父を問い詰めると、200万借りた新たな人物の存在を白状した...。

 

 この後に及んで嘘?意味わからん。あまりにも怒られ過ぎてもう怒られたくなくて本当のこと言えなくてすぐバレる嘘ついちゃったの?

 合計で800万も借りたのだそうだ。これ以上は絶対ないと言っていたが、もう信じられない。

 どうりで昨日俺が全部払うと言っても反応が今ひとつだった訳だ。だって嘘ついてたんだもの。

 母の激昂は言うまでもなく、呪いの言葉を絶え間なく吐き続けた。シ◯!と何度もぶつけたのだった。

 俺たち家族はまたひとつになれるのだろうか。

 

つづく