過ぎ去りし麗しき日々は再び我の元に返り来たらず

やってくるこの毎日が人生だと知っていたら

父が投資詐欺の被害者になりました その2

 

前回からのつづき

 全財産+人に借金してまで突っ込んだ金を根こそぎいかれた親父だが、まだ騙されたことが理解できない。どうする俺!

 その前に母の話をしよう。20代前半で6つ上の父と社内恋愛の末結婚した母は専業主婦で、バリバリ働いてガンガン飲んで遊んだ父をサポートして俺と弟を育てた。育児期間が終わるとパートで銀行窓口をしていた。

 実家が貧乏だったのでお金の管理はしっかりしていたが、父は母に生活費だけ渡して後は自分で管理していたらしい。その結果がこの事件に繋がった訳だ。

 母は父の退職金から1,000万(たった...)もらったのとパートで働いた金をコツコツ貯め、将来自活できなくなった時のための資金を準備していた。母は父もそれぐらい(それ以上)の蓄えがあるだろう、施設に入ったり葬式代ぐらい自分で用意する人と信じていたのであった。

 しかし、持っていたのはたった900万でそれも失い更には借金600万。50年以上連れ添った夫婦の信頼を裏切った父に対し、当然怒りはMAXに。もう一緒にはいられない!と離婚を宣言した。

 しかし、自分は贅沢せずに俺と弟の家族にお金を使うことだけが生き甲斐の母は、離婚してしまうと父の後始末を子供たちに押しつけることになることから離婚は断念。友人の借金だけは自分が払うと言った。手をつけず大切に貯めてきた虎の子で。

 叔父の200はこの際置いといて、友人からの400は今すぐにでも返さなければならない。俺と妻はちょうど子供たちの学費をせっせと貯めている最中で、今すぐ必要って訳でもないし俺が払うよと言っても母は首を縦に振らない。

 

 父は父で詐欺師にLINEを送り続けていた。140万は用意できません。配当金を引き出してくれたら払います、と。何度かのラリーで140万が100万に下がった(笑)ようだがその内連絡が取れなくなってようやく騙されたことに気づいたのだった。

 結局、母の預金から借金を返すことは変わらず、随分と目減りしたので長生きしたら俺が援助することになるだろう。今出すか後で出すかの差である。ただ、母を大切にしようと強く思った。

 さて、父に対してまずパソコンと家の権利書と車のキーを取り上げた。カードの使用も禁止。いずれはスマホガラケーにしないとな、なんて思っていたんだ。

 

つづく