過ぎ去りし麗しき日々は再び我の元に返り来たらず

やってくるこの毎日が人生だと知っていたら

むき出し

認めたくないものだな、自分自身の若さゆえの過ちというものを

 今、話題のEXIT 兼近大樹氏の自伝的小説。半生を振り返っているテイの小説ですから各エピソードには実体験も創作部分もあるのだろうよ。

 

 マジになんなよ...。

 売れっ子若手お笑いコンビ"entrance"の"石山"は、ある日突然、週刊誌の記者に呼び止められる。
 石山が上京前に地元 札幌で犯した罪についてのスキャンダル記事が出るというのだが...。

 貧乏が故に道を踏み外した過去を持つお笑い芸人の話ですが、形を変えればまぁよくある話です。ブルーハーツなら"チェインギャング"1曲歌えば終わる話。悪そうな奴は大体友達ってか。

 

 EXITはゴッドタンの企画で見たのが最初で、チャラ男キャラ始めたばかりなのに実はコンプラゴリ守り芸人だったってすぐバラされてそこが面白かったんだけどね。

 

 いつの間にかキャラに飲み込まれたのか一瞬時代の寵児みたいになって上がるだけ上がったら見事に叩き落とされるお決まりのパターン。

 

 スキャンダル以降はテレビで使いづらいのかパッとしないみたいだけど、今はネットで頑張ってるんですかね。レヴューは絶賛コメントばかりだし。

 

 本の内容はウッスウスで正直1,600円は高いと感じました。子供の頃は家族のエピソードがいっぱい出てきたのに中学ぐらいから何も出てこないし、リアルはヤバ過ぎて書けないかもだが小説なんだから今どうしてるかぐらい書けるだろ。

 

 ところどころで彼らの漫才ネタっぽい文章が差し込まれていて、やりたいことはわかるのだが非常に読みにくく、かつつまらなく。

 

 たぶん映画・ドラマ化狙いなのが丸見えで冷めるんだね。ただ、さすがにリアル極悪人通称"ルフィ"が出てくるんじゃ映像化は不可能かと。タイミングが悪くて災難ですね。

 

 でも最近の騒動でこの小説を持ち出して叩いてる奴はたぶんちゃんと読んでないよね。だって開き直ってる訳ではなく、環境や生まれのせいにしてきたことに気づいた、と書いているんだから。一生かかっても許されない罪と共に生きていくっていうニュアンスの発言してるんだから。

 

 頭が悪くて間違った人生送ってきましたごめんなさい、って言ってるし応援するか黙ってるかしたらいいんじゃないですかね。

 

 まぁ、お笑いの才能は皆無だけど、対 若い女性へのカリスマ性は若い頃から持ってるようだし、社会的弱者に対する想いってのは本物であると信じているから、是非ネットで頑張って救済活動の輪を広げてほしいです。